中村天風氏の著書は、精神(心)について書かれているものがほとんどですが、そのなかでも、身体の健康法について書かれた貴重な1冊があります。
「いつまでも若々しく生きる」
めちゃめちゃ高額で買えない・・・(汗)。と思ったら、近くの図書館に置いてあったんです。ラッキー^^ さっそく、印象に残った点をまとめてみました。
自然法則に順応して、ほんとうに心身を統一しない限りは、健康も運命もよくはならない。
生命にとって一番大切なのは「空気」
大自然の恵みの中で、我々の生命にとって一番尊いのは空気。人間が生きるために必要な活力は次の5つ。
- 空気
- 水
- 食物
- 日光
- 泥、土
【人間の生命が要求する活力の割合は?】
上記の5つを100とすると、
- 空気85%
- 残りの4つが15%

空気ってそんなに大切だったんですね。もう森の中に住みたい!
天風式クンバハカ呼吸法
【肺のお掃除方法】
基本体勢(クンハバカ法※1)で、深呼吸(プラナヤマ法※2)をおこなうと効果的。
①まず息を吐き切る。同時に肩の力を抜く。
②息を吐き切ったら、肛門を締める。
③息を自然に吸い込む。(肛門は締めたまま)
④息を吸い込んだら、丹田(へその下)にも力を入れる。
※1 基本体勢【クンバハカ法】
肛門を締め、肩の力を抜いて、丹田(へその下)に力を入れ、
お尻・肩・腹の3カ所を同時に整える。
※2 深呼吸【プラナヤマ法】
できるだけ静かにそして長く呼吸する。
意識的に息をできるだけ深く出し切ってから、自然に吸う。
※吐いてから吸うことが大事。
この呼吸法を実践すると、心身ともに、あらゆるスゴイ効果があらわれる。

クンバハカしながら、1日に何千回と深呼吸をしなさい。

何千回もムリです!
人間は果食動物
脊柱動物は、次の4通りに分かれる。
・肉食動物
・草食動物
・果食動物
・混合食動物
人間は果食動物である。(天風氏がインドで発見)
【植物食と肉食の理想の割合】
標準は、植物食7:肉食3が理想
- 40歳までは 5:5
- 40〜60歳 7:3
- 70〜80歳 8:2
- 80歳以上 10:0(植物食のみが理想 9:1が限度)
※植物食はいくら多くなっても良い。ただし腹8分目。
ひどい病にかかったとき、果物だけ食ってると治っちまうんだ。果物食べなさいと言いたいけれど、日本では高価なので、できるだけ動物性のタンパク質を食べないようにしたほうがいい。
肉食の害
肉食動物には、プトマイントキシンという肉の中毒を防ぐ自然分泌物が肝臓にあるが、人間にはない。
おまけに、どんな肉でも第三腐敗期に入ってるのを食べてることになる。
- 第一腐敗期(動物を殺した直前の肉)・・・この時期はまだ美味しくない
- 第二腐敗期(しばらく経った肉)・・・肉が硬直状態になる
- 第三腐敗期(さらにしばらく経った肉)・・・肉が柔らかくなり美味しくなるが、多量の毒素が発生する。

インドに行ったとき「つかまえるときに逃げるもの、殺す時に鳴き声を出すものは、絶対に食っちゃいかん」と言われた。
ヒマラヤの奥地では1日1食
米が年に3度もとれるのに、米は早死にするといって、水でふやかしただけの稗(ヒエ)をバナナの葉の上に盛って、手でしゃくって食べるだけ。これが主食。おかずはイモやゴボウのゆがいて山塩をぶっかけただけのもの。山へ入ったら果物がタワワに実ってるので自由に食べられる。
みんな筋骨隆々として丈夫な体なんだ。人間はこういう食い物で生きるのが本当なんだと思った。悟らされた私は、どんなにべっぴんさんが来てすすめたって肉は食いませんよ。

なんで米は早死にするんだろう?玄米じゃなくて白米のことかしら?
唾は万病の薬
体の中の唾だけが、でんぷん質を完全に溶解し、完全に消化する作用がある。
食物を形がなくなるまで噛み、完全な麦芽糖状態にしてから飲み込むと、消化器系の病気にならない。人間が本当に丈夫になったという時は、消化器官が完全な状態になった時。ほかの病が出ても、治りが早い。水も噛むと唾液が混じり、水あたりしなくなる。
現代人のほとんどが胃や腸が弱いのは、噛み方に問題あり。
弱アルカリ体質になると体からいい香りがする!?
天風氏はインドで、こう言われてたそう。
「真人の体からは、常になんとも言えない馥郁(ふくいく)たる香気が出てる」
先生のそばへ行くと、なんとも言えない一種のいい匂いがしたとか。
よい物をよく噛んでいると、体が臭くなくなるそうです。
血液が弱アルカリ性になると、人体を包む磁気(ヒューマンマグネチズム)が旺盛に働き、霊気体(アストラルボディ)の働きが濃厚になる。
あなたがたが私のそばに来ると、なんとも言えないいい気持ちになるのは、このアストラルボディの感化なんだ。食べ物と心の使い方が非常に大きな問題をなします。

何の病でも血液が汚いんだ。血液が綺麗だったら風邪もひかないのよ。
食べるのは芸術行為
食事の時間は、自分の生命を確保するための行事で、一つの尊い芸術を行ってる時。食べなきゃ死ぬから、お役目で食べるって言うような食べ方はダメ。
天風氏は、お茶を飲む時でも、何気なしに飲むのではなく、このお茶の中にあることごとくの栄養を、自分の四肢の末端に至るまで恵みとして受けるんだという感謝で飲むんだそう。

ダラダラ食いをやめて、丁寧に食べることを心掛けます(^^;
食べる時間と分量は決めなくてよい
健康を確保する食べ方は、時間や分量を決めて食べるものではない。
本当に腹が減ったときに食べるのが、一番血になり肉になる。
本当の空腹というのは何を食べてもうまい。ぜいたくな気持ちが出ない。まずいもんもうまく感じる。
薬について
薬は病を根から治すものではなくて、苦痛を一時的に鎮めるだけの目的しかない。あとに残る有害な反応中毒のほうが恐ろしい。
この現象世界になる物質 = 植物、動物、鉱物の3つのみ。
動物の骨、肉、血液、筋肉はぜんぶ鉱物。生きている限りその鉱物は有機鉱物である。薬は無機鉱物なので、有機鉱物と同じような作用を我々の肉体に与えてくれない。
果物や野菜のなかには中毒のない有機鉱物が入っていて、一番の薬になる。

とにかく食べ物の中に人間の生命を養うに必要な有機鉱物が、造物主によってつくられて、それを食べるようにちゃーんと仕組みができてるんだ。
※塩だけは無機鉱物だが、決して体にさわらない不思議なもの。
皮膚を冷やすと丈夫になる
冷たい空気は体に良い。寒帯の人のほうが体が丈夫。
温度の低いものを急激に接触させると、すぐ電磁気的底力がバイブレーションを受けて、血液循環が非常によくなる。
どの点から見ても、暖めれば暖めるほど人間の活力は弱る。
一番いいのは、暖めては冷やし、冷やしては暖める。注意深く変化を与えてやる。

天風氏は毎朝、水風呂に入り、午前中はどんなに寒くても裸でいたんですって。よっしゃー今年の冬にいっちょやってみるか。笑
日光、土、水の効果
【日光の恵み】
- 殺菌作用
- 怪我やはれもの回復
- 痛みの感覚が薄くなる(打ち身、神経痛、リューマチなどに効果)
- 臭みを取る
- 尿水の浄化
- 赤血球増加
- 消化吸収が良くなる など
日光浴をすると1時的に脈拍や体温がやや高まり亢進するが、しばらくすると常態に復する。このとき体内では相当効果のある変化が起こっている。
つまり、体の全機能や一切の働きが非常に活発になる。
【土の恵み】
足裏の土踏まずは、泥の中の電磁気的精力を吸い込む力が非常に強い。
動物が体を悪くすると、泥の上に寝る。これは人間にも必要だと思った、と天風氏。
冷え性の人は15〜30分素足で地面を歩くと効果ある。
【水の恵み】
皮膚に水を接触させる機会を多くする。
水の湿布を施すとオゾンが生じ、血をきれいにしてくれる。
ドイツのベルリンでは、水治療法だけでどんな病でも治す病院があった。
熱が出た時は、氷ではなく水で冷やしたほうがよい。頭の骨頂部を冷やすと効果的。
風呂はできるだけ毎晩入るほうがいい。(ただし長湯と非常に熱い湯はダメ)
「いつまでも若々しく生きる」まとめ
第一に精神生命(心)をいかなる時も絶対に積極的にするのが大切。
↓こちらを参照ください。

そのうえで、
肉体生命(体)については、
- 食物は、アルカリ性のもの(野菜と果物)を多く食べること
- 飲み物は、お茶(とくに緑茶)と水は大いに奨励。緑茶はアルカリが豊富。
- タバコは吸わないほうがよい。タバコと酒は、反対もおすすめもしない。
- 運動と睡眠は過不足のないよう適度に。眠くなったら寝る。昼間よく働くのが最良の睡眠法。運動も無理せず、したいと思った時にする(自然の法則に従う)。日常のことをこまめに実行していたら、過不足のない運動になる。
- 新陳代謝のために、ときどき深呼吸をすることを忘れずに。
- 冷水摩擦や冷水浴で皮膚の抵抗力を強くする。訓練的積極化でだんだん慣れさせる。
これらを実行すると、心と体が結合統一され、
- 体力
- 胆力
- 判断力
- 断行力
- 精力
- 能力
生命を確保する大事な要素(6つの力)が増大してくる。ひとつ欠けても生命は完全に確保できない。
運命も極めて向上し、
- 病
- 煩悶
- 貧乏
の三大不幸と縁が切れ、本当の生きがいが感じられるようになる。
ということで、いままで数々の健康本を読んできましたが、本書でとくに勉強になったのは、
空気の大切さ、唾液の力、肉の毒(腐敗期)…などでしょうか。
内容が濃く、まだまだお伝えしたいことがてんこ盛りですが、これくらいにしときます。笑
少しでも参考になりましたら嬉しいです。
あなたも天風氏のように、心身ともに健康になり、身体からファビュラスな香りを醸し出せますように♡
めざせ〜アルカリ体質!!