最近、「HSP」という言葉をよく耳にしますが、ご存知でしょうか?
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、高度な感覚処理感受性を持つ「人一倍繊細な人」のこと。
HSPは、決して病気や障害ではなく、生まれ持った「気質」であり、世の中の5人に1人はHSPと言われています。
今回は、HSPであるかどうか自己診断できるチェックテスト4つ(海外版2種+日本版2種)をご紹介したいと思います。
- HSP診断テストってどんなものがあるの?
- 一度に色んなHSP診断テストを受けてみたい
という方は、ぜひ目を通してみてください。
HSP診断テストを受ける前に伝えたいこと
これらの自己診断テストでHSPだと断定することはできません。
HSPの提唱者アーロン博士がおっしゃるには、「個人の人生をまるごと判断できる正確な心理テストというものはない」のだそうです。
なので、あくまでも参考程度にしてくださいね。
たとえ診断結果がHSPであっても、あなた自身がHSPじゃないと思うなら、HSPではないのかもしれません。あなた自身がHSPを受け入れるかどうかが大切なのではと思います。
まずは、HSP簡単チェック(HSPの4大特徴)
HSPの提唱者であるアーロン博士によると、HSPの根底には「DOES」と呼ばれる4つの特性があるそうです。
①深く処理する(Depth of processing)
物事を徹底的に処理する。深く考える。あれこれ考えてなかなか実行できない…など
②過剰に刺激を受けやすい(being easily Oversitumilated)
旅行やイベントで人一倍疲れやすい。人混みが苦手。人前に出るのが苦手。暑さ寒さに敏感。相手の発言に傷づき、しばらく頭から離れない…など
③感情の反応が強く、特に共感力が高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)
涙もろい。人の心を読み取りやすい。動物の気持ちがわかる…など
④ささいな刺激を察知する(being aware of Subtle Stimuli)
五感が敏感(小さな音や光、かすかな臭い、人や物のささいな変化に気付きやすい、
着心地の悪い服に敏感…など)
4つすべてに当てはまったらHSPであり、4つのうち1つでも当てはまらないなら、HSPではない可能性が高いです。
参考:「ひといちばい敏感な子」エイレン・N・アーロン著、明橋大二訳

「当てはまるような、当てはまらないような…よくわからない。」と感じたら、下のもう少し詳しい4種のテスト(海外版2種&日本版2種)に目を通してみてくださいね。
HSP診断テスト4種(どのテストを受ければよい?)
それでは、4種のHSP診断チェックテストの特徴を簡単にご紹介しますね。
元祖・HSP診断テスト(HSP提唱者が作成したもの)を受けてみたい方は、
①「アーロン博士」バージョン
詳しいHSP診断テストを受けてみたい方は
②「イルセ・サン」バージョン
日本人向けに作成されたHSP診断テストを受けてみたい方は
③「高橋亜紀氏」バージョン
④「保坂隆氏」バージョン
ただし、③高橋亜紀氏の診断テストは「○点以上でHSP」といった線引きがなく、少しわかりづらいかも…。

個人的には、②「イルセ・サン」、④「保坂隆氏」バージョンがおすすめです。お時間のある方は、4つとも受けられて、総合的にみるのが良いでしょう。それでは、ご紹介していきますね。
①アーロン博士のHSP診断テスト
HSPの提唱者であるエレイン・N・アーロン博士が作ったHSP自己診断テストです。
- アーロン博士の診断テストはこちらのサイトでご覧になれます。http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html
この著書に掲載されているチェックリストは23項目でしたが、のちに4項目追加され、現在は計27項目に更新されています。
- お子様のHSP(HSC=Highly Sensitive Children)の診断テストもできます。http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsc.html
②イルセ・サンのHSP診断テスト
デンマークの心理療法士イルセ・サンが、アーロン博士のチェックリストを元に作成された診断テストです。より詳しくテストしたい場合はこちらがおすすめ。
「はい」「いいえ」で答えるのではなく、1項目ごとに0〜4点のスコアをつけ、計算していく方式です。
⇣イルセ・サンのHSP診断テストを自動的にスコア化してくれるサイトです。

このサイトを利用されてる人、多いのではないでしょうか?スコアを自動で計算してくれるので便利ですよ♪
質問内容を1問ずつ確かめてみましたら、イルセ・サンのHSP診断テストの内容と同じでした^^(質問の順番は異なります)
自分で計算してみたい方は、診断テストの内容を下に載せておきますので、ご覧になってください。
ちなみに私の診断結果は、HSP度:「中」でした。
自分でスコアを計算したい人はコチラ⇣
【イルセ・サンのHSP診断チェックリスト】
全部で48項目の質問があります。
各質問項目に、点数を入れてください。
0 点:当てはまらない
1 点:ほとんど当てはまらない
2 点:少し当てはまる
3 点:ほぼ当てはまる
4 点:完全に当てはまる
【グループA】
グループA 合計 点 |
【グループB】
グループB 合計 点 |
【計算方法】
グループAの合計からグループBの合計を引いてください。これがあなたのHSP度です。
グループA合計 点 ー グループB合計 点 = HSP度 点
60点以上なら、HSPでしょう。点数は、マイナス52 〜プラス140 の間の数字になるはずです。
数字が大きければ大きいほど、敏感ということになります。
このテストは完全ではないと思っておいて下さい。
テスト結果がその人の性質をすべてを十分に表すわけではありません。
包括しきれていない面がたくさんあるはずです。
またテストを受けた日の気分によって結果は変わってきます。
このテストは、あくまで、自分の敏感さを知るためのヒントであり、それ以上には受け止めないでください。引用:イルセ・サン著「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
」
③髙橋亜希さんのHSP診断テスト
2016年に中京大学大学院・心理学研究科の髙橋亜希さんが作成したHSP診断テスト「Highly Sensitive Person Scale 日本版(HSPS-J19)」です。
日本人の感性や特徴に合わせて作成されたもので、「感情心理学研究」という学術雑誌に掲載されています。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/23/2/23_68/_pdf/-char/ja
このテストには「◯個以上でHSP」といった線引きがなく、当てはまる項目が多ければ多いほど、HSPである可能性が高くなります。
- 大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?
- 大きな音で不快になりますか?
- 一度にたくさんの事が起こっていると不快になりますか?
- 色々なことが自分の周りで起きていると、不快な気分が高まりますか?
- 明るい光や強いにおい、近くのサイレンの音などにゾッとしやすいですか?
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ、刺激の少ない場所に逃げ込みたくなりますか?
- 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか?
- 短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
- 他人の気分に左右されますか?
- ビクッとしやすいですか?
- 競争場面では緊張して実力を発揮できないと感じますか?
- 強い刺激に圧倒されやすいですか?
- 痛みに敏感になることがありますか?
- 子供の頃、親や教師は、あなたのことを「内気だ」と見ていましたか?
- 生活に変化があると混乱しますか?
- 繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
- 自分に対して誠実ですか?
- 美術や音楽に深く感動しますか?
- 豊かな内面生活を送っていますか?
④保坂隆さんのHSP診断テスト
精神科医である保坂隆氏が作成した診断テストです。
①のアーロン博士の診断テストを元に、日本人向けに作成されました。
以下の質問に、少しでも当てはまるなら「はい」、まったく当てはまらないなら「いいえ」を選んでください。
- 周囲の微妙な変化にすぐ気づき、空気を敏感に読む
- 相手がどういう気分なのか、気になってしかたがない
- 人にどう思われているか、とても気になる
- 人と話しているとき、つい言葉の裏を考えてしまう
- 人見知りで、初めて知り合った人となかなか慣れない
- ひとりでいるのが苦手で、誰か頼れる人がいてほしい
- 体を触られるのが苦手
- 人前で仕事をするのは、集中できないので苦手
- おなかがすくと、集中できなくなる
- 間違いを指摘されると傷つき、なかなか立ち直れない
- 約束をすると、とても気になって落ち着かない
- カフェインに敏感で、お茶やコーヒーを飲むと眠れない
- においや味などの好みが強く、苦手な食べ物も多い
- 忘れ物やミスがないか、何度もチェックする
- 他人に対して、とても良心的だと思う
- ちょっとしたことにも、すごくびっくりする
- 大きな音がとても苦手
- 明るい光や交通音、時計の針の音が気になって眠れないことが多い
- 動揺してしまうような状況をなるべく避けている
- 想像力が豊かで、空想にふけることが多い
- 美術や音楽が大好きで、人より感動するほうだ
- 勘がいいほうだ
- 痛みに敏感
- 暴力的、残酷なシーンのある映画やテレビは見ない
- 短い時間に多くのことを同時にするのは苦手
- 生活に変化があると混乱し、落ち着くまで時間がかかる
- 人前で話すのが苦手で、プレゼンテーションなどで緊張する
- 肩こりや頭痛をよく感じる
- ストレスで胃が痛くなることがある
- 子どもの頃に、親や教師から「内気」「神経質」といわれていた
「はい」が20項目以上なら、HSPです。「はい」が10から19であっても、その度合いが非常に強ければHSPの可能性があります。
〜保坂 隆著「敏感すぎる自分の処方箋」より引用〜
刺激追求型HSP/HSS診断テスト
HSPのなかには、刺激追求型HSP=HSS型HSP(High Sensation Seeking)といった人も存在するようです。
アーロン博士の研究によると、HSPの70%が内向的、30%が外向的な人なのだとか。(著書『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』より)
人口の20%がHSPで、そのうちの30% = 人口の約6%がHSS型HSPということになりますね。
HSSセルフテストは、エレイン・N・アーロン博士の公式サイト(日本語版)で受けられます。(テスト内容も載せておきますね↓)
各質問に感じたままに答えて下さい。「少しでも当てはまったら」チェックを入れ、「あまり当てはまらない」、あるいは「全く当てはまらない」場合はチェックを入れないでください。
- もし安全なら、未知の新しい体験ができる薬をやってみたい
- 会話によっては、ひどく退屈になる時がある
- 行ったことのある場所にもう一度行くよりも、好きにならないかもしれないけれど、知らない場所の方へ行ってみたい
- スキーやロッククライミング・サーフィンのようなスリルのあるスポーツをやってみたい
- 長い間家にいるとイライラする
- 何もせずにじっと待っているのは嫌い
- 同じ映画を二度見ることはめったにない
- あまりやったことのないことをするのが楽しい
- もしなにかめずらしいことを目にしたら、わざわざ寄り道をしてでも確かめに行く
- 毎日同じ人たちと一緒にいると飽きてしまう
- 君のやることは予測がつかないと友人たちに言われる
- 知らない場所を探検するのが好き
- 日課は持たないようにしている
- 強い体験を与えてくれるアートに惹きつけられる
- 気分を高揚させてくれる物質が好き
- 思いもつかないようなことをする友だちのほうが好きだ
- 新しい知らない場所へ行ってみたい
- もし旅行に行くお金があったら外国へ行きたい
- 探検家になってみたい
- 誰かが性的なジョークを飛ばしたり、性的なことを口にして、みんなが気まずそうに笑うような時でも、自分はそれを楽しいと感じる
このセルフテストでは、女性と男性では点数が異なります。
女性:チェック項目が11以上=おそらく刺激追求型(HSS)。7以下=おそらくHSSではない。8~10=おそらく両者の中間。
男性:チェック項目が13以上=おそらく刺激追求型(HSS)。9以下=おそらくHSSではない。10~12=おそらく両者の中間。


ちなみに、私は13個当てはまりました。HSSなのかも。
まとめ
結果はいかがでしたか?
繰り返しになりますが、これらの自己診断テストで本当にHSPかはわかりません。あくまでも参考程度にしてくださいね。
私がHSPのことを知ったきっかけは、何気に読んだ「繊細さんの本」です。
この本を読んで「私もHSPの気質あるかも?」と思い、HSP関連の本を何冊か読みはじめましたが、その中でもこの本が一番読みやすく、わかりやすかったです。
HSPの気質は生まれ持ったものだから、変えようとしなくてもよい。今のままでいい。その繊細な感性をとことん大切にし、長所として活かしたほうがラクに生きられる。
もし、あなたが人一倍繊細で生きづらさを感じているようでしたら、ぜひお読みになってください。きっと心が軽くなりますよ♪
今後、HSPのことを知る人が増えていけば、HSPの人もHSPでない人も、お互い生きやすくなるのではと思います。
たとえば、HSPでない人がHSPのことを知らずに「も〜〜この人、なんでこんな些細なことが気になるのかしら?」とイラっとしても、HSPのことを知ることで「こんな些細なことが気になるのって、この人HSPだからかも」と寛容になれるし、お互いに良い関係が築けるようになるんじゃないかなと思います。
みんなが寛容になって、生きやすい世界になりますよう(*^^*)