岡本太郎の本「自分の中に毒を持て」はすべての人に読んでほしい【読書感想】

岡本太郎の本「自分の中に毒を持て」

もう、すべての人に読んでもらいたい…今回は「自己啓発本はこの一冊だけでいいんじゃないの?」と思うほど心動かされた本のご紹介です。

岡本太郎氏の熱いメッセージが、ぎゅ〜っと詰まった文庫本。人間としての本当の生き方を、熱く強烈に伝えてくれてます。

とくに、人生に迷ってたり、やりたいことがあるけれど勇気がない…といった方には、ぜひ読んでもらいたいです。きっと一歩踏み出そうという気持ちになれるはず。

 

大阪万博の「太陽の塔」の作者として有名な岡本太郎氏。私の中での印象は、昔テレビで「芸術は爆発だ!」と、目をギョッと見開いて叫んでた「変なおじさん」。

ですが、この本を読み終えたあとは「変なおじさん」から「尊敬する芸術家」に変わりました笑。

 

ということで、本書の中で印象に残った箇所をご紹介します。

 

システムのベルトコンベアに乗せられ、己を失って、ただ惰性的に生活をつづけているというのなら、本質的に生きているとはいえない。…人間本来の生き方は、無目的、無条件であるべきだ。それが誇りだ…その瞬間にベストをつくすことだ。現在に、強烈にひらくべきだ。

 

「芸術は爆発だ」の意味

芸術=人間として強烈に生きることそのもの

爆発=全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと

無条件に生命を突き出し爆発する、その生き方こそが芸術。

朝から晩まで絵を描き、文章を書き、彫刻にナタをふるい、無条件な情熱をもって自分を外に向かって爆発させる…そうすると、いのちがぱぁっとひらく。それが生きがい。

惹かれるものには次々挑戦する

  • ふと惹かれるものがあったら、手を出してみる。続かなくたっていい。計画性にこだわらず、つまらなかったら平気で捨ててみて、また別のことをやってみる。
  • 惹かれるものがなかったら本を読むのもいい。小説などよりも、新しい自身の人生観が開くものがよい。

さまざまのバリエーションで自分の運命を試すという”計画”をもつことになる。その方が、おもしろいじゃないか。

 

やはり、計画よりもまず行動なんですね。先日ご紹介した本⇣

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自信はなくても、とにかくやってみる

  • 惹かれそうなことを無条件にやってみるしかない。意志を強くする方法なんてない。ほんとうに今やりたいことに全身全霊をかけて集中すること。とにかく死にもの狂いでぶつかっていけば、情熱や意志が湧き起こる。

その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それしかないんだ。

失敗に賭けてみる

  • だめだろうと思うことをやってみるほうが情熱が湧いてくる。逆の発想で、マイナスの方に賭けてみる。

太郎氏は、時代に合わせた人に好かれる絵より、ありのままの自分を貫き、人に好かれない絵を描きつづけてきた。そうすると、必ず自分自身がファーッともり上がってくるという。

これではだめだと思っていても、どうしたらいいのかわからず、行動に移れない人の特徴は自分だけは特別だと思っている。

 

自己嫌悪してしまう人の特徴は、みんな自分だけは特別だと思っていることなんだ。「自分は」だらしがないとか、「自分は」神経質だ、とか。そう思いたいのかもしれないが、それは違う。ウヌボレだと言ってもいい。そんな人間はガッカリするくらいにこの世にいっぱいいる。

 

自分を過小評価してもウヌボレ(自惚れ)になるの?調べてみると、自分が特別な存在でなくなる「恐れ」からくるのがウヌボレだそう。あれこれ考えず、ありのままの自分を受け入れて行動せよ!ってことですかね。

 

自信をなくすのは、他人と比較するのが原因。最大の敵は自分。

制約の多いところで行動する

  • もし違ったところで生活していれば出来るかもしれないが今の状況では・・・と障害の項目を並べ立てない。制約の多いところでこそ、自分のしたいことをするのが本当の行動になるただし中途半端だといけない。明朗に、自分をごまかさずやれば、案外通る。

「幸福」という言葉が大キライ

  • 太郎氏は「幸福反対論者」。幸福ではなく「歓喜」が大切。生きるからには歓喜がなければいけない。歓喜は、対決や緊張感のあるところから生まれる。

ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。危険なこと、辛いこと、つまり死と直面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて、「歓喜」なんだ。

  • 親子の間も人間と人間の対決で「歓喜」が生まれる。

太郎氏は小学校の頃から、両親とよく議論していて、その様子を見ていた親戚に「モチロンちゃん」というあだなをつけられたそうです。(親の言うことに「もちろん」とよくうなずいていたので)

モチロンちゃんって、かわいすぎません?^^ 親より理論的だったそうですよ。

「下手さ」を明るく認める

芸術や歌、スポーツ、会話など自分で下手だと思っても、下手だと認めちゃだめ。自由に明るく、ユニークに下手さを押し出せば逆に生きてくる。

下手さを明るく自認するとコンプレックスがなくなる。

「内向的」は決して悪いことではない

平気でいればいい。消極的で気が弱い人も、強くなりたいと思えば思うほどコンプレックスになる。ありのままの姿勢をつらぬいていけば、それが強さになる。

 

最近よく耳にするHSP(繊細な人)に対する考え方そのもの。さすが太郎さん。

懐古趣味にならない

  • 懐古趣味(昔はこうだった)にならない。
  • いずれ(いずれそうします)にならない。今を生きる。

 

これも最近よく耳にする「今を生きる」。昔から生きる本質を見抜いてた太郎さんって、やっぱすごくないですか?

才能なんてない方がいい

才能があるものだけが、この世で偉いんじゃない。自分として純粋に生きることが人間の本当の生き方。

総理大臣や会社の社長など偉くなるにつれて顔がショボくれている人が多い(自分を生かしていない)

全員ではないということを強調しておきます笑。

たとえ貧しくても、社会的に評価されなくても、無条件に生きている人のほうが素晴らしい。

「岡本太郎には才能があるからやれるんだ。凡人には難しい」という人がいる。やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ。うまくやろう、成功しようとするから、逆にうまくいかない。

経済人vs純粋人

経済人は利潤だけを道徳の基準にしている。これを根本的にひっくりかえし、無条件に純粋に生きる人間と対決させることによって、生命力・精神を生きかえらせなければならない。これは緊急の課題。

 

現在の文明が自然のバランスを破壊し、危険な破滅の方向へ向かっていることは疑いようがない。

 

そういえば、先日ご紹介した保江先生の本にも同様のことが書かれてました。

保江邦夫さんの本が面白い。願いをかなえる「縄文ゲート」の開き方【読書感想】
みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 皆さまはどんな年末年始でしたか?(もういつの話やねんって感じですが…) 私は今年のお正月もひとり寂しく過ごしましたよ。ひとり遊びが楽しくなってきた今日このごろです。 さて、話が変わりますが...

右脳人間になれということですね。昔から気づいてた太郎さんはやはりすごい。すごいすごいばかり連発してますが、ほんとすごい笑。

おわりに

あと、46歳でスキーを始めたことや、パリ時代の恋愛のこと、成人式は10歳前後でやるべきだとか、神話(イザナギとイザナミ)の話や、身体障害者の演奏で感動した話など…紹介したい箇所がありすぎて書ききれません笑。

 

最近になって「今を生きろ」とか「自分の好きなことを仕事にしよう」とか、よく言われるようになりましたが、岡本太郎氏は数十年前から気づいてたんですね。これほど人生について深く考えてる人だとは思ってもみませんでした。もっと早くこの本に出会いたかった。

 

自分の内側にあるものを、外に向かって情熱的に爆発させる…私は今そんなことが出来てるんだろうか…いや出来てないな。ちょっと考えさせられます。やりたいことはあるので、とりあえず行動します。

人間ラクなほうを選びがちですが、それでは生きてる意味がないのかもしれません。

ツライわー笑

 

あなたの内側には情熱的に爆発させる何かがありますか?「そんなのないわ」という人も、少しでも興味があることに、ことごとく挑戦していくと見つかるかも。見つかるといいですね^^

 

みんなのいのちが、ぱぁーっと開いて、明るく楽しい世の中になりますように。